日本酒の添加物

アルコールが添加された日本酒とは

添加物

日本酒とは元々純米酒で、米、米麹、水を原料として醸されてきました。 しかし戦時中、兵士の戦意を高めるよう大量のお酒が必要となっても、それに見合う量の米が入手困難であったため、増量技術からアルコール添加が始まりました。
昭和19年にはアルコール添加酒は全国の酒蔵に広がっていき、太平洋戦争による米不足もアルコール添加酒の増加に拍車をかけていきます。 昭和25年には白米1トン当たり純アルコール163L、国税局で許可された蔵は最大245Lまでアルコール添加が認められていました。 当時は日本酒に1級、2級の等級があり、等級によってアルコール添加量が違っていました。 1級酒は白米1トン当たりアルコール108L以内、2級酒は白米1トン当たりアルコール252Lまで、といった具合です。
またアルコール以外の添加物も出てきました。 通常は30%のアルコール添加ですが、これにブドウ糖や水飴、コハク酸や乳酸グルタミン酸ソーダなどが添加されるようになります。 吟醸酒がブームの時には発酵の時に出る吟醸香を収集して、普通の日本酒に吟醸酒の香りをつけました。 吟醸香と言うものは精米歩合の高い米を低温で長期発酵させた吟醸酒に特有の香りですが、吟醸酒の製造には高い技術とコストがかかります。 そのため地酒ブームに続いて吟醸酒ブームが起きたとき、多くのメーカーはコストを上げずに吟醸香のある酒を造ろうと考え、香りだけ吟醸酒の日本酒を作り出したのです。