甘口と辛口

味を表現したものではない

日本酒を飲む女性

実は日本酒の「甘・辛」の基準は、実際の味で決めているのではなく、「日本酒度」で決まるものです。 日本酒度とは日本酒に含まれるエキス量が多いか少ないかを示すもので、エキスとは糖分やアミノ酸などです。 日本酒度を測るには日本酒に「日本酒度計」という比重計を浮かべて計測するそうです。 審査員のような人達が実際にその日本酒を呑んで味わい、甘いか辛いかを決めているわけではないのですね。 日本酒度計は水の比重と同じところをゼロとするので、酒のエキスが多いと水より重くなり浮いてマイナスを示し、酒のエキスが少ないと水より軽くなるので、沈んでプラスを示します。 つまりエキス量が少ないほどプラスの目盛りが大きくなり辛口、マイナスになるほどエキス量も多く甘口、という意味になります。
しかしこれはその日本酒に含まれるエキス量を測っているだけですので、味の判断基準になるかといえばやや疑問です。 辛口とされる日本酒でも実際に飲んでみると甘く感じたり、逆に日本酒度が低いのに辛口と感じる日本酒もたくさんあります。 呑んだときに感じる味わいは日本酒度だけに影響されるのではなく、酸味の違いによっても甘口・辛口の味わいが変わってくるからで、酸が多いと辛く感じ、酸が少ないと甘く感じます。 ラベルの甘口・辛口は参考程度にして、自分で味わってみて感じた方を信じればよいでしょう。